むかし、むかし、
あるところにハタチの女の子がいました。
学校ですてきな女の子A子ちゃんと出会いました。
卒業を控えた12月、
そのステキなA子ちゃんから
「好きだ」と打ち明けられました。
 
うれしくてうれしくて、夢中になったけれど、
女の子は地元に戻り給料が高い仕事につきました。
お金を使うヒマもないくらい働きました。
 
A子ちゃんはアルバイトをしながら
ある資格試験にむけて勉強を続けました。
 
社会人となった女の子は変わらない愛を
A子ちゃんに捧げたつもりでした。
浪人生となったA子ちゃんは精一杯の愛を
女の子に伝えたつもりでした。
 
A子ちゃんは毎日毎日が淋しくてどうしようもなくなりました。
女の子は毎日毎日A子ちゃんに手紙を送りました。
毎日毎日電話をしました。
最後の月には特急で3時間の道のりを
毎週末飛び越えて会いにいきました。
 
けれど、A子ちゃんの涙は止まりませんでした。
 
「さみしい」
「もう、つかれた。」
これがA子ちゃんが言った最後の言葉でした。
 
女の子はA子ちゃんから別れを告げられました。
 
 
 
女の子は思うのでした。
思いつくかぎりのことをやってきた。
それでもA子ちゃんには伝わらなかったと。
自分にはなにが足りなかったのだろう。
どうすれば良かったのだろうと。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今でもよくわからない。
彼女にどう接すれば良かったのだろうか?
仕事なんかやめて彼女の近くに引っ越せば良かったのだろうか。
もっと言葉のかぎりをつくして愛を語れば良かったのだろうか。
水曜日に彼女が泣く。
「土曜日に会いにいくよ。」
不定休な私が勤務表をにらみながら答える。
けれど彼女は言う。
「会いたいと思った時に会えない。
 それが淋しい。」
 
「それって、仕事をやめろってこと?」
などと言ったことも思ったこともない。
ただただあやまった。
「ごめんね。少しがまんして?
 あと3回寝たら会えるからね。」
 
 
 
 
今となっては、
懐かしく切なく甘酸っぱい思い出。
憎しみあったわけじゃない。
ただただ、好きだった。
それしか覚えていない。
 
 
私は、あれからどのくらい大人になれただろうか。
彼女にたいして変われただろうか。
良い方向に大きくなれていたらいいのだけれど。
 
 
彼女はいまだに警戒している。
私のことを本気で好きになっちゃダメだと。
また淋しいツライことになるからと。
 
もう、わかったよ。
もしキミが本気でさみしいのなら、
私なしでは生きていけないのなら、
私は、仕事をやめてキミの元に行くことにするよ。
 
それでキミが幸せならね。
 
幸せな気持ちになるのかな?
ならないよね?
それはわかるよね?(^-^)
トシを取ったってこういうところかもね。(笑)
 
 
 
 
 
 
 

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